1.お城に興味のある方が、お城への取っ掛かりとなるのは、まずは「天守閣」だと思います。その他の要因では、お城の各種建物の均衡ある美しさ、石垣の険しさ、建物が何も残っていない城跡の虚しさ、城下町特産のグルメやタイムスリップできる楽しみ、将軍や大奥や大名などの暮らしへの興味、歴史背景からの探求心、更には戦いの主役や攻撃・防御面など戦術面への興味など色々惹かれるものがあると思います。
↓世界遺産で国宝の姫路城天守群
2.取っ掛かりは個々人よって違うと思いますが、私の場合は「まえがき」で記載した通りです。
それに加え、歴史小説を色々読む中で「江戸時代」という時代は、現代における生活や社会、経済や政治まで繋がる礎が構築された時代であることがわかり、幕藩体制のお城に興味を持つようになりました。そういうことから、幕藩体制時に存在し領主が居住して行政を執り行っていた中心地の施設であるお城や陣屋と、それによって発展した城下町の約300城を制覇してみようと思うようになったのです。
歴史小説は色々とありますが、ちなみに私の大好きな小説家は「上田秀人」氏です。江戸幕藩体制を題材に、克明な歴史事実に則った内容を軸に展開される将軍や大名と主人公周辺の旗本・御家人惑いは商人との絡み合いは、どんどん引きこまれていき一気に読み進むことができます。
外観復元している名古屋城天守閣↓
3.上記の取っ掛かりから、より一層、「お城巡りを楽しむ方法」について、私の場合どのようにしているかをご紹介します。
私が名古屋に転勤時代に何度か訪れた、熱田神宮の近くにある「あつた蓬莱軒」という「ひつまぶし」の美味い有名店があります。そこの「ひつまぶし」のおいしい食べ方として、「1杯目は普通のうな丼で、2杯目はねぎ・わさび・のりの薬味をかけて、3杯目はお茶漬けにしてさらさら」と一品で3度おいしくいただけることを知りました。
この手法を、お城巡りに生かしています。どういうことかと言いますと、お城巡りをする際には、必ず3度楽しむようにしています。
↓ トイレに貼っている日本地図
1度目の楽しみ方・・・
まずは、計画づくりです。
我家のトイレ内には、大きな日本地図を貼っていますが、毎朝それを眺めては何処へ行こうかと構想を練ります。私の場合は、ある程度お城の存在する都市名が頭に入っていましたので、2泊3日の旅程でどのあたりまで行けるかを思い浮かべることができました。
ある程度想定したら、メモ用紙に、ラフな行程表を線で示し都市名と時間を落とし込んでいきます。その時に、訪問予定の都市の観光課や観光協会のホームページを見て、お城に登城する所要時間や城下町内のお城や城主にまつわる訪問したい名所旧跡を探し、その都市で過ごせる時間量を想定します。
過ごせる時間量、都市間の主に鉄道やバス、時にはどうしても公共交通機関が時間的な制約で利用できない場合はレンタカーによる移動時間を算出して、更には城下町内ではレンタサイクルや徒歩、市内循環バスなどによる移動方法を活用して2泊3日の「ラフ計画表」を作成します。 関東北部を訪問した際の搭乗券 ↓
大阪から現地へ行く方法は、私の場合は2通りあります。
遠方の場合は、飛行機を使用します。たまたま、出張があった現役時代には、貯まるANAマイレージを使用したり買物でANAカードが付いているカード決済でゲットしたマイレージを使用していましたが、現在は後者でマイレージをコツコツと貯めて活用しています。
最近では、格安航空(LCC)が地方各地や大都市間でもフライトしていますので、低価格で飛ぶことができますよ。飛行機で現地へ直行すれば、遠方になればなる程かなりの時間が節約できて、訪問したい所が増えます。
もう1つは、春・夏・冬に発売される「青春18きっぷ」を活用します。最近は、「青春18きっぷ」の活用の仕方という書籍や雑誌が多く出版されているので、皆さん良くご存じだと思います。全国のJRの快速と普通列車を1日乗り放題できる5回分用の切符です。5回分11,850円で、1回につき2,370円、どれだけ得できるかという挑戦にもチャレンジできてとても楽しいですよー
←計画表(2017年8月分)の一部。帰宅後、訪問した場所を赤字にしたもの。
「ラフ計画表」に肉付けする為に、メールで市町村の観光課又は観光協会へ観光パンフレットやお城の資料を送付していただけないかのお願いもしてみます。ホームページにも沢山の地元情報が掲載されていますが、下調べを充分に行う為には、実物のパンフレットや資料の方が良いです。殆どの観光課や観光協会からは、親切に送付していただけます。
勿論、お城については、色々な書籍(※)やホームページ、前述の観光パンフレットや資料から、見るべきポイントや特徴を抽出しておき「計画表」へ箇条書き列挙します。場所は地図から確認、分かりにくい場合は地図をコピーしておきます。
持ち物リスト 冬用↓
お送りいただいたパンフレットや資料に良く目を通し、「計画表」へ訪問したい場所や食事したい場所などをどんどん肉付けしていきます。その「計画表」には、使用予定の費用を、交通費、入場・入館費、食費・宿泊費、その他の項目に分けて予算計上しておくと便利です。
宿泊は、1人であればビジネスホテルが安くて駅前に多いので便利です。時々、温泉付きのビジネスホテルもあり身体を癒してくれます。旅館は風呂が広く食事も豪華ではありますが、やはり1人旅であれば高くつきます。もし2人以上の友人同志や夫婦であれば一室で安い場合もあります。私の場合は、殆どは「楽天トラベル」で予約をします。
以上のお城巡りの計画作成は、紙上・パソコン画面上で事前にエア旅行をするようで非常に楽しいです。
見たいもの、訪ねたいものを計画しておくことで、当日訪問日には時間を無駄にすることなく効率的に、城下町とお城、その関連施設、更にはグルメや土産探しまで楽しむことができます。目的地に着いてから、どこへ行こうかと考えることはやめた方がいいですよ。
↓ 観光パンフレット(整理ファイルに収納)
城巡り1週間前から前日にかけて、旅準備を行います。私は、出かけてから忘れ物で「シマッタ!」ということを極力少なくする為に、夏用・冬用の「所持物チェックリスト」を作成してチェックしています。
それと、絶対忘れてはいけないものは、今まで作成してきた「計画表」と「各目的地の主要パンフと地図」です。
(※)私が参考としている主な本
・「城」第1巻~第8巻(監修:平井聖、毎日新聞社)
・「名城を巡る」1~23(PHP)
・「名城を行く」1~50(小学館)
・「よみがえる日本の城」1~30(学研)
・「日本の城」1~121(ディアゴスティーニ)
・「江戸三百藩」1~101(ハーバー・コリンズジャパン)
・「お城のすべて」(学研)
・「日本の名城・古城 もの知り事典」(主婦と生活社)
・「ふるさとの藩」(前田勤、朝日出版社)
愛用のデジカメ「OLYMPUS SH-1」とSD↓
2度目の楽しみ方・・・
これが本番、いよいよ城巡り当日です。作成した「計画表」を実践していきます。
尋ねるお城やそれがある市町村のパンフレットを着くまでの車中で目を通しておくと、直前の予習で頭にインプットされ、着いて見るとすんなりと映像が頭に入ってきます。
今まで、書籍や資料、パンフレットなどの写真で見てきた映像や解説文の内容が、生でそのまま体験できるのです。その感動は素晴らしい時もあれば、拍子抜けする時もありますが、計画が実現した喜びはひとしおです。
メディアのお城の写真は、殆どが同じ方向やアングルが多いですが、実際見ればあらゆる方向から眺めることができるので「へぇーこんな顔もしていたんやー」と新たな発見が一杯あります。それを写真に捉えておくと、後で再体験できます。
↓JR西日本北陸本線 金沢行
「計画表」に記載していた見たいもの、訪ねたいものは、極力写真を撮り、解説も写真に収めておくようにしましょう。自分の目に収め、写真にも収め、あとでゆっくり復習できるようにします。これが、2つ目の楽しみ方のメイン料理です。
しかしながら、「計画表」通りに訪問できれば良いですが、時間設定の問題やなかなか見たいものの場所が見つからないなど上手く進まない場合もあります。私の場合は、極力お城がある都市を知りたいので必死になって巡りますが、少し余裕を持って、ゆっくりとその土地の雰囲気やグルメやお土産などを楽しむ余裕があった方が良いと思います。
ただ、最初に決めたアクセスの時刻表厳守で行動しないと、地方へ行くと1時間に1本の列車やバスがあれば良い方で、それを逃すと「計画表」が全く成り立たなくなり大幅な計画変更を余儀なくされ、その後の本当に見たいもの訪れたい所へ行けなくなってしまいます。
従って、アクセスの時間には絶対乗車するように心掛け、自分にとってあまり重要ではないものは思い切ってカットする決断をしましよう。
また、そんなに気を付けていても思わぬハプニングがあるもの。ウッカリや交通事情や天候事情などがあります。ここで少し、失敗のエピソードですが、八代城を見てJR薩肥線で鹿児島城に訪れる際に乗車した時の話です。
JR薩肥線は、スイッチバック線やループ線があり、更には明治時代開業の古い駅舎が残り、最大の見所日本三大車窓の「えびの高原と霧島連山」を眺めることができ、観光列車にも乗れる沿線で、鉄道マニアだけでなく観光客にも大人気の線です。
乗換駅の吉松駅で乗り換えるべき普通列車にカメラなどを入れたリュックを置いて、乗車してきた観光列車のガイドの女性とホームで話をしているうちに、その普通列車が発車ベルもなくスーっと発車。
車内の座席に置いたリュック1人で隼人駅へ向かってしまいました。慌てて、駅員さんに事情を説明して、リュックを終点の隼人駅で拾得してもらい冷や汗ものでした。おかげで、計画がだいぶズレてしまった経験があります。
薩肥線「いさぶろう号」車内-木製のベンチシート↓
デジカメの電池量にもヒヤヒヤさせられる時があります。
特に、天守閣など建物が多い場所では、内部は暗いのでどうしてもフラッシュを使用しますので、1日の終わりころには電池量がギリギリになることも。途中で充電は、なかなか難しいですので、前日夜にはホテルで十分な充電をすることに加え、デジカメの予備か充電パックの予備、スマホのカメラの用意など忘れずにしましょう。勿論SDの予備も忘れずに!
↓5冊で1箱のアルバムの一部
3度目の楽しみ方・・・
最後の楽しみは、帰宅後写真の整理を通して、お城と城下町をもう一度思い起こすことです。写真は、大体700枚~1,000枚位は写して帰りますが、できるだけ早いうちに写真をパソコンのピクチュア内にお城毎のフォルダーに分けて保存します。更に、すべての写真に内容のコメントを記載していきます。
コメントは、観光パンフレットや資料、前述の書籍を元に記載していきます。この作業で、再度写真を拡大して見ることができるので、旅を思い出し映像を思い起こすことができます。
アルバム内は正方形のポストイットにコメント記入↓
これが終わると、撮ってきた写真の約4割をプリントにしてアルバム(1冊48枚収納で5冊1箱になるもので480枚収納可能)に収納できるように、プリントの外注をインターネットから行いますが、凄く低価でできる写真屋さん(ABCデジカメプリント)があり、私は必ずそこでお願いします。何故プリントするかと言うと、アルバムを棚からすぐに取り出してみることができるからです。
プリントされたものが送られてきたら、アルバムに写真を入れ、写真3枚に1枚の正方形型7.5㎝四方のポストイットに手書きコメントを書き貼り付けています。これは、かなりの時間と労力を要しますので1ケ月から1月半位かかる時がありますが、これも旅の総集編として楽しめる醍醐味です。
このようにして、アルバム5冊入り65セット、アルバム内プリント写真約14,000枚をスクラップしています。また、パソコンのハードディスクには、約3万枚も保管しています。
その後は、「訪問城リスト」を訪問日別、アイウエオ別に作成、また「写真アルバム整理表」を地域別番号順と通し番号別を作成して管理を行っています。 写真アルバム整理表の一部↓
4.以上は私のお城の楽しみ方です。人それぞれ、興味の視点が違うと思いますので、楽しみ方も様々あるでしょうから、「お城巡りを楽しむ方法」の一つとして参考にしていただければ良いのではないかと思います。
5.この章の冒頭で述べましたように、多くの方は、天守閣のフォルムの美しさ或いは猛々しさ等から、まず「天守閣=城」に思いを馳せることと思いますが、城は天守閣だけではありません。でもまずは、天守閣をもっと知ってもらうことから、城の世界に入り込みたいと思います。
※できるだけ、色々なお城の写真を使用して説明したいと思います。但し、20数年間かけて撮ってきた写真で、古いものはアナログで見にくくなってますことをお許しください。
「城をしろう・城はおもしろい」の「お城の建物こんな所でみつけた!」より後半は、こちらからリンクしてください。
2018年1月1日より公開しています。
更新情報
大坂(阪)城の全てを動画でご覧いただけます。「お城ごとの建物アルバム」からお入りください。(2019.2.7)
コンテンツの追加情報を適宜更新します。
岡山城の建物写真をアップしました。
新項目「お城ごとの建物アルバム①」をご覧ください。
・姫路城、松本城、犬山城、彦根城、
松江城、弘前城、丸岡城、備中松山
城、丸亀城、松山城、宇和島城、高知
城
新項目「お城ごとの建物アルバム②」をご覧ください。
・二条城、掛川城、川越城、柏原陣屋、
名張陣屋、七日市陣屋、松前城、出羽
松山城、盛岡城、仙台城、涌谷要害
新項目「お城ごとの建物アルバム③」を、ご覧ください。
・相馬中村城、水戸城、土浦城、岩槻城
高崎城、江戸城、小諸城、名古屋城
上田城、飯田城
新項目「お城ごとの建物アルバム④」を、随時アップしていきますのでご覧ください
・新発田城、富山城、金沢城、大坂城、
明石城、岡山城(7/27現在)
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