こんな建物、あんな建物一覧表

(5)蔵・倉庫・馬屋  

  蔵・倉庫・馬屋とは、物資や火薬類、その他備品類を長期的に安全に保管するために造られた建物です。

 櫓の物入としての機能は、太平の世になり本来の攻撃や守備用としての櫓の機能が、保管スペースとして転用されたもの

 ですが、蔵類は当初から物入れ保管用として造られ利用されました。

            細別と名前           内        容

(5)蔵・倉庫・馬屋  

①物資類や備品類を保管

ア)金蔵      イ)米蔵    ウ)塩蔵

エ)納屋蔵     オ)土蔵

・保管収納する物資の名前がそのまま付けられることが多いですが、一般的な名前の土蔵や納屋と付けられたり、曲輪名や他の名前が付くこともあります。

・金蔵が大坂城に全国唯一現存します。

②火薬類を保管

ア)焔硝蔵     イ)硝煙蔵   ウ)煙硝蔵

 ・焔硝蔵が大坂城に全国唯一現存します。

③藩の船を収納

ア)船倉      イ)船蔵

 ・萩城に全国唯一現存します。

※船倉(蔵)跡は、結構残っています。下記で写真を紹介します。

④馬の収納

ア)馬屋     イ)厩

・彦根城に全国唯一現存します。

大坂城御金蔵(重文)

 大阪府大阪市中央区


宇和島城山里倉庫(現存、武器庫) 愛媛県宇和島市

二条城土蔵(重文、米蔵)

 京都府京都市中京区


盛岡城彦御蔵(現存)

 岩手県盛岡市

高知城納屋蔵(重文)

 高知県高知市


萩城御船倉(現存)御座船や軍船を収納で全国唯一 山口県萩市

金沢城鶴丸倉庫(重文)

 石川県金沢市


彦根城馬屋(重文)全国で唯一

残る   滋賀県彦根市


 船倉(蔵)跡

  クリックすると、住所や詳細がわかります。

  ↓大村城         ↓大村城          ↓大村城         ↓福江城         ↓金石城          ↓金石城   


(6)番所  

    門(櫓門)の中に番所が付いていない場合、出入口の警備管理を目的に駐在所として造られた独立建物です。

            細別と名前           内        容

(6)番所  

①大規模な警備駐在員を要する建物

・百人番所など

・百人番所は、伊賀組、甲賀組、根来組、二十五騎組の4組で交代に警備しました。

②中小規模の建物

ア)大番所   イ)同心番所  ウ)上番所                エ)足軽番所  オ)物頭御番所

 

江戸城百人番所(重文)伊賀・甲賀・根来・二十五騎の各組が交代で警備

 東京都千代田区


横須賀城町番所(現存)

 静岡県小笠郡

二条城番所(重文)

 京都府京都市中京区


久保田城御物頭御番所(現存)

 秋田県秋田市

江戸城大番所(重文)

 東京都千代田区


彦根城物見番所(現存、現在民家の倉庫に) 滋賀県彦根市

江戸城同心番所(重文)

 東京都千代田区

 


弘前城与力番所(現存)

 青森県弘前市



(7)塀  

   外敵からの防備、防犯上の管理用として巡らされた構築物。

            細別と名前           内        容

(7)塀  

・骨組みがあり柱間に土を塗り込めた土塀です。後方に控柱で支える場合が多いですが、攻撃用として板を控の間に渡すことができるようにする目的もありした。

②築地塀  

 ・骨組みがない土塀。砂と粘土を混ぜた土を木の板の枠に入れて棒で固めていく方法(版築工法)です。

③練塀

・古い瓦や小石を粘土で接着しながら積み上げて土壁を造ります。

熊本城塗塀の長塀(重文、地震で一部倒壊し修築中)現存では最長の242m、下見板張り

 熊本県熊本市


姫路城練塀のにの門に至る塀

(重文) 兵庫県姫路市

金沢城塗塀(現存)現存では二番目に長い。控柱が立ち出窓も

ある。

 石川県金沢市


姫路城築地塀(重文)ほの門と水の一門の間

 兵庫県姫路市

松山城塗塀の紫竹門西塀(重文)  愛媛県松山市


二条城二の丸築地塀(重文)

 京都府京都市中京区

備中松山城練塀(重文)

 岡山県高梁市


名古屋城築地塀の一種の南蛮練塀(現存)

 愛知県名古屋市中区